石破氏と定位反応

ishibasan2.jpg 石破元防衛大臣、または元農林水産大臣。この人気になりませんか。政治には全くもって関心がなかった非国民の私ですが石破さんの登場をきっかけに最近ちょっと政治家の言っていることがおもしろくなってきました。しかし政治がおもしろいのではなくて政治家のパーソナリティーがおもしろいというものでして、実際に日本の未来を真剣に考えているとか法案が気になるといったことでは全くありません。
 とにかく石破さんがしゃべり出すと他のどの政治家よりも強烈な個性を感じるわけです。長らく私が所属していた美術畑とはうってかわってこういった個性というのはどういう起源でどういう方向性で生まれてきたのが皆目見当がつきません。
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 例えばですけど、ジョンとヨーコが世界平和を歌っているとかそれに連動するヒッピーの行動様式とか、またドフトエフスキーの小説の中に出てくるような寒い地にして静かながら熱狂的で半狂乱的な思考回路とか、建築現場に多数存在する虎一を愛しつつ金のネックレスをしている貧乏くさいバンカラ男とか...子供教育に真摯なうつ病独身女性とか、どういう世界でもいいのですが何となくその世界観というものが想像できるのです。極端な話ではありますが乱交パーティーの文化的な背景とか代々受け継がれてきた過疎地の農村的メンタリティーとか私自身それらを想像するのはさほど難しくないのです。勿論その想像が現実とかみ合っているかどうかは問題ですが。
ishibasan5.jpg ひどく使い古された物語というものがあって、ジェームズ・レッドフィールドに言わせると「コントロール・ドラマ」ということになりますが、これらの現実に対する接触方法、特に問題に当たった際の接触方法が実に単純且つつまらない。何もかも我々が想像しうる範囲内のでことでありました。ティム・バートンの「マーズ・アタック」などでは地球を訪れた火星人?が友好の徴に何やらをするのかとおもいきやいきなり銃(正確には宇宙人の持つ奇妙なレザー銃のようなもの)を乱射するシーンがありましたがあのシーンはあまりに意外でかなり笑った思い出があります。でも笑ったということは自分の中の正しい感情(喜怒哀楽)に触れたということだと思います。
 しかし自分の想像の範疇を越えると少しばかりおかしな反応をするようになります。心理学ではこれを「定位反応」といって、はじめてみたもの、はじめて体験したものに対してまだその本人の「反応」が定式化されていないという状態の「反応」のことをいいます。当然のことながらこの定位反応は幼い子供によく見られます。
ishibasan3.jpg 定位反応それ自体は、静止、無反応、無表情、集中といった様相を示すもので、ここでは驚いてもいなければ、感心もしていない、怖がってもいなければ、喜んでもいない...という正に「はじめての体験」を目の前にしてどう反応してよいのかわからないといった状態のことをいいます。以前にメキシコをバックパックしていた友人が私に語ったことを思い出したのですが、メキシコの山奥の農村にテレビがやってきた時、その村人達はけっして喜びも驚きもしなかったそうです。ただテレビのど真ん中をジッと見つめて微動だにしない呆然とした様子だったそうです。力道山を白黒テレビで見て大いに喜んでいるというテレビ時代初期の日本人の姿はもはやテレビというメディアを十分に文化として受け入れた成熟した姿だということです。
 石破さんを見ると私はこの定位反応に見舞われます。何といいますか...彼の表情、口調、またその外見とは裏腹なものすごい理路整然とした論調、どこを見ているのかよくわからない目線というものに捉われて唖然としてしまうのです。
ishibasan4.jpg だいたいの事柄が想像の範疇に収まるような年齢になってきたというのもありますし、また「一人で歩いていたら危ないから家に帰りなさい」と警官や父兄に窘められる立場から「犯罪者と間違われるから家に帰りなさい」と言われるかまたは理不尽な職務質問に遭うかという立場になってしまったので、それこそ定位反応に見舞われるということは、童心に帰ったというか...この先まだまだわからないことはあるな...というちょっとした期待感というかそういう少しばかりポジティブなものを感じる今日この頃なのです。
 石破氏本人のパーソナリティーについては様々な情報が出回っているのでここでは触れませんが、Wikipediaから彼の名発言を少しばかり紹介します。
  • 防衛大臣在任時、UFOの存在を日本政府としては確認していないという公式見解を出した。
  • イージス艦「あたご」の事故について事故直後・捜査が入る前に航海長を省へヘリで呼び出し、大臣同席で事情調査をしたことについて民主党の前原の質問「あなたは何をしているんですか?」と聞かれ、「今はあなたの質問に答えています」と答弁をした。
  • テレビ朝日の「サンデープロジェクト」で核密約について聞かれたとき「秘密をばらすような人間を次官や大臣にするのが間違っている」と発言した。
どれも個性的でありつつ謎めいています。ちなみに彼はクリスチャンです。

石破氏の公式ブログ