港からみる日本のあけぼの

 たったひとつの主要な港を支配するとその国全体を支配するかもしれないというような大きな可能性を持つことがあるわけです。イギリスは香港を植民地とすることで中国に大きな影響を及ぼしたし、日本も江戸末期にはいくつかの港の開港をアメリカに迫られてあくせくしました。
 歴史の教科書を前にして私自身も幼い頃からぼんやりとその教科書の文字を暗記したり興味なく覚えたりしていたわけですが、アメリカの軍艦(黒船)が下田港にやってきたというのはかなりの事件であったというわけです。戦争や領土の略奪だけではなく、例えばオランダというヨーロッパの実に小さな国は人口も少ない上に湿地帯だらけの不毛な土地であるにも関わらず先進国として日本なんかよりも非常に豊かな生活をしているのですが、オランダという国の持つアムステルダムという港は、有史の中ではいわゆる「海賊」的なイメージと世界をめぐる貿易港として繁栄してきたわけです。そしてこの港の力はそれはそれはおそろしい。というのも我々が知っているあのニューヨークはオランダ移民が作り上げた都市なのです。言ってみればニューヨークはUSAにあらずというわけでして、日本で見ることのできる日本が中心のメルカトル図法の地図ではなくヨーロッパで見ることのできるヨーロッパとアメリカが中心の地図でニューヨークとオランダを比較してみると大西洋を挟んで実に近距離であることがわかるのです。小国オランダが実際に世界に及ぼしている影響は計り知れないのですが、ひとつの港がそのある一定の領土における経済文化に対してかなりの影響をもたらします。
worldmap.jpg ここら辺りが教科書でおしえてくれない歴史の中身だと思います。そのような意味で解釈すると例えば日本の日露戦争の勝利というは逆にどこにも経済的乃至文化的な影響力をこれっぽっちも残さなかったという実に(日本的にな)不毛な戦争であり、精神的情緒的な戦争だったという見方ができると思います。
 港の支配という観点から、日本の歴史のあけぼのを見るとちょっと気になる記述があるということをご存知でしょうか?
 日本人の直感として「我々は日本人ではなく、間違いなく朝鮮人である。」というものがあると思うのですが、どういうわけか日本人の大半はそれを認めたくないという感情があって未だ持って天照様の国であるということになっていますが、勿論この天照国という考え方には私も半ば共感しているのですが、これは心情的な物語の話であり、神話であり、ファンタジーであるということがその条件となります。それは歴史学的乃至考古学的な観点からは実に非科学的であり嘘だらけということになります。
 日本は倭国という国が最初の日本です。日本を名乗るようになったのは後々でありまし倭国が日本のはじまりです。今でもこの倭国についての歴史的な研究は行われていますが、当時のアジア情勢(6 世紀から7世紀)は、の朝鮮半島を支配している高句麗、百済、新羅の三国、唐という大国、そして倭国という小さな島国です。地図を見ると今とあまり大して変わりがないというところが笑えます。
 この倭国という小さな国(実際は関西以南にしか倭国の影響力はなかったとかあるとか...。)がどうしてこの当時のアジア情勢に深く関わっていたのかというのは、とりもなおさず、倭国は任那(みまな)という港(とその地域)にかなりの影響力をもっていたというんです。つまり倭国(日本)は朝鮮半島の南(プッサン辺りで想像してもらえればいいです。本当は違いますが)のポイントに接点をもち朝鮮半島全体に影響力をもっていたというんです。異説多数ありの考古学的なお話なのですが、先のオランダとニューヨークという話と同様に1つの港からその地域全体に経済的文化的な影響力を及ぼすということは実にこういうことなんです。実際にこの国々の乱立と政治的な対立が唐&新羅 VS 百済&倭国の戦争が起きています。白村ノ江(はくすきのえ)の戦といわれています。
 この戦争が日本の歴史の教科書に載っているわけですよ。これはアホな日本人が想像するような独立国家ではなく当時でさえかなりの交易と文化的な入交が激しかったことを意味しているし、特に百済なんていうとんでもない田舎と倭国が唐と新羅に対抗したなんていうすさまじい歴史が教科書にちょこんと乗っているのってなんかとっても変な感じがしませんか?私はとても変な感じがします。倭国は完全に朝鮮人の国です。
 ご存知の通り562年に任那とその倭国の影響力をもった地域は新羅に滅ぼされます。が、その辺りからいわゆる蘇我氏なる豪族たちの登場がはじまるわけです。593年には聖徳太子がなんかいい役職について喜んでいたような年です。蘇我氏も聖徳太子もかなり朝鮮人くさい気がしますよ。
 ここらを匂わせない歴史の教科書をつくるにはかなり難しいだろうし、もしつくったとしたらすでに上述したようにかなりファンタジックな教科書になってしまうんじゃないかと。